【ワンちゃんの皮膚】

 

ようやく暖かくなってきましたね。ワンちゃんだけでなく、私たちもお散歩するのが気持ち良い季節になってきました。

暖かくなってくると、ワンちゃんの皮膚病が多くみられるようになってきます。

もちろん、ノミ・マダニの季節、アトピー性皮膚炎の子であれば花粉が飛散する季節ということもあるでしょう。

しかし、暖かい季節には、虫刺されやアトピー性皮膚炎以外の皮膚病が多いのも事実です。

何故なのでしょう?

 

もともとワンちゃん達の皮膚は、下のような特徴があります。

・皮膚のpHが人よりもアルカリ性に傾いている(pH7.5)

・高湿度

・高体温

・無風

・皮脂の産生

実は、このような皮膚の特徴というのは、細菌やカビが繁殖しやすい条件と

同じなのです。

それに加え、暖かい季節になってくると、さらに菌が繁殖しやすくなります。

 

また、ワンちゃんには原産国というものがあります。ワンちゃんは、本来の環境や目的に合った皮膚や毛の構造・機能を持っています。

例えば、北方の寒冷な国出身のワンちゃん達は、寒さに耐えられるように下毛(アンダーコート)が良く発育します。

また、日本のように四季がはっきりしている国出身の柴犬等も、冬の寒い間は下毛が良く発育し、暖かくなると必要のなくなった下毛が抜けていきます。

日本にいる柴犬でも、お家の外で飼育されている子、お家の中で飼育されている子とでは、同じ柴犬でも換毛の時期や量に差が見られることもあります。

これらは、飼育されている環境への反応です。

 

シー・ズーはチベットおよび中国原産のワンちゃんで、乾燥した環境に適した

皮膚を持っています。

日本のジメジメとした梅雨や夏の暑い時期に、皮膚のかゆみが出たり、皮膚が脂っぽくなることがあります。

また、ゴールデンレトリーバー等の下毛が充実した長毛のワンちゃん達は、夏にホットスポットと呼ばれる特徴的な皮膚炎が見られることがあります。皮膚の温度の変化や発汗などが関与しているのではないかと考えられています。

 

このように、皮膚病の発症や悪化には、それぞれのワンちゃんの本来の皮膚や毛の特徴が関係していることも多いようです。

慢性の皮膚炎や、繰り返す皮膚炎、なかなか良くならない皮膚炎などでご心配されている方も多くいらっしゃるかと思いますが、それぞれのワンちゃんの皮膚の特徴を理解して対応してあげることで、皮膚病と上手にお付き合いしていくことも可能です。

ご不明な点があれば、お気軽にご相談下さい。